もっと唄を!

福島原発放射能汚染が止まりません。
巨大な地震と巨大な津波は自然の猛威としてわれわれに牙をむきました。
しかし原発放射能汚染はまぎれもなく人災です。
一人の技術者として、特に安全構築を専門とするものとして山ほどの考えがあります
が、いまはそれを開示するときではありません。
関係する方々のご努力によって被害が最小化されることを祈るしかありません。

すでに膨大な命が失われました。そして、その方たちを凌ほどの行方不明の方がおら
れます。
被災地で過ごすたくさんの方が、この悲嘆を、極限の生活環境の中で耐えておられる
ことを思うといても立ってもいられなくなります。

私の連れ合いの生まれ島沖縄は1945年に同じように悲嘆のただ中にありました。23
万人の死者を出し、残った人たちも収容所に押し込められ呆然たる日を送っていたと
いいます。
それを救ったものは、歌と踊りでした。
空缶とパラシュートの糸を掘り出して三線を作り、悲惨な戦世をうたう歌者が人々を
励ましました。
「なちかちや沖縄 戦場になやい 世間御万人ぬ 袖ゆ濡らち」(屋嘉節)
(悲しいよ沖縄 戦場となり 多くの沖縄の人たちの袖を涙でぬらす)

福島県には相馬盆唄、会津磐梯山が、宮城県には斉太郎節、遠島甚句が、岩手県には
南部牛追い唄、外山節があります。
故郷の唄もあります。唱歌もあります。歌謡曲もあります。ロックも、フォークも、
バラードもあります。古典もポップスもあります。
ぜひ、歌を歌っていただきたい、と勝手なことを思っています。